Vol17 「のどに食べ物を詰まらせないか心配です」 管理栄養士 佐々木佳歩
食べたことがある食べ物が増えて、
お子様の「おいしい」笑顔を見るのは、
成長の1つの楽しみですよね。
今回は
「のどに食べ物を詰まらせないか心配です」
という親御さんのための気を付ける点や、
気を付けたい食べ物、調理のコツなどなど、
日常生活で心配な「誤嚥や窒息」のお話です。
食事の機会は1日に3回もあります。
「誤嚥や窒息」は
小さなお子様に多い事故です。
生後5~6か月ごろから、
手につかんだものは
何でも口に持っていきたくなります。
これは子供の成長発達段階で
自然な行動ですが、
大人に比べ子供はのどが狭く、
また飲み込んだり
吐き出したりする力が弱いため、
口に入れた物でのどを詰まらせ、
誤嚥や窒息を起こしやすい傾向があります。
子供の口の大きさは3歳児で約4センチ
(トイレットペーパーの芯と同じくらい)です。
直径4センチより小さいものは、
食べ物に限らず何でも誤嚥、
窒息などの心配があります。
特に、粘着性が高く
唾液を吸収して飲み込みにくいもの、
丸いもの、
つるりとしたもの、
固くてかみ切りにくいもの
などは注意が必要です。
注意することは2つあります。
1つ目は、
お子様の成長段階に応じて
与える食べ物の固さを工夫することです。
生後5~6か月
:離乳食をそのまま飲み込むだけです。
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生後7~8か月
:舌でつぶせる固さのものが食べられます。
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生後9~11か月
:歯ぐきでつぶせる固さのものが食べられます。
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生後12~18か月
:前歯で噛み切って歯ぐきで
つぶせる固さのものが食べられます。
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1歳半以降
:前歯と奥歯が生えて手づかみで
食べます。前歯でのかじり取りや
奥歯でのすりつぶしができるようになります。
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3歳頃
:乳歯が完成し、食べ物を
すりつぶすことができるように
なりますが、
噛む力は大人と比べて弱いです。
固いものはまだ噛むことができません。
丸飲みして窒息に
つながる可能性があります。
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月齢に合わせた食事の固さを知り、お子様に合った食べ物を与えるようにしましょう。
2つ目は、
食事中の行動です。
走り回って食べたり、
口いっぱいに入れてしまったり、
食事中の姿勢が誤嚥や
窒息に繋がってしまうこともあります。
安全な食べ物を与えていても
少しの注意力散漫で事故に
繋がってしまうケースもあります。
食事中は大人が
そばに付いて居てあげることが理想です。
食事の際に気を付けたいことを
何点かあげたいと思います。
・一口の量が小さめになるように盛り付ける
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・口の中に食べ物がある時はお話ししない
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・食べることに集中する
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・水分をよくとりながら食べる
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・座って食べる
(ながら食べをなるべくやめる)
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・びっくりさせない など
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食べ物がのどに詰まってしまうと、
急に顔色が悪くなり、
よだれを垂らして苦しそうな顔をして
声が出せなくなります。
そんなときは
ためらうことなく119番に
連絡してください。
万が一にそなえ、
応急処置
(背部叩打法や腹部突き上げ法)を
開始できるよう確認しておきましょう。
最後に少し注意が必要な食べ物をご紹介します。
丸くてつるりとしたもの:
・プチトマト
・ぶどう
・さくらんぼ
・うずらの卵
・丸いチーズ
・ソーセージ
・こんにゃく
・ゼリー など
対策:
★丸いものは1/4にカットする、
★ゼリーは吸わせず一口ずつ、
★ソーセージは縦に切る、
★こんにゃくは
糸こんにゃくを1センチに切る など
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※白玉団子・もち・飴・
ピーナッツなどの豆類・ラムネ
など硬くて丸い食べ物は
4歳以上になってから挑戦しましょう。
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粘着性が高く唾液を吸収するもの
・ごはん
・パン
・やきいも
・のり など
対策:
★水分をとってから食べる、
★小さな一口でたべる、
★よく噛む
★のりはもみほぐしてからまぶす
など
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口の中でのまとまりが悪いもの
・固いものや、
・そぼろ、
・ゆで卵など
対策:
★とろみをつけたり、
★なにかと混ぜたりして調理しましょう。
たくさんのポイントを
挙げてしまいましたが、
難しい食べ物は無理せず、
保護者の方の時間と
心に余裕があるときに
「楽しく安全に」食事ができるよう
応援しています。
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佐野薬局八橋大畑店
管理栄養士 佐々木佳歩